Japan IT Week 雑感

今週5/8,9,10と東京ビッグサイトなどでIT関連のEXPO “Japan IT Week”が開催されています。テーマがビッグデータ、働き方改革、Webマーケティングと多様なネタで展開されています。今年からオリンピック対応で会場が制限されている事から、西展示場と青海展示場とシャトルバスで移動する必要があります。思ったよりはスムーズに移動できましたが最終日はどうなることやら・・・

基調講演

IBM、楽天、マイクロソフトの演者の方が登壇されました。

IBMはデジタルトランスフォーメーションの観点から主にIBM社のクラウドソリューションのご紹介といった内容でした。Kubernates推しといったところ。ポジション的にはAWS、Azureを追いかける立場でしょうから、特定のクラウド基盤に依存しないようなベンダーロックインを避けるようなサービス提供というブランディングをしたいのかなあと思いながら聞いていました。

楽天からは「個別化時代」と「Creative AI」というキーワードを提唱されていました。「個別化」という概念と「多様化」は違うと説明されていましたが、正直な所、意図がつかみきれませんでした。「個別化」の例としてバチカン市国のローマ法王を決めるコンクラーベという行事の2005年と2013年の様子の違いをご紹介されていました。2005年では皆が神妙な感じで参加しているところ、2013年ではみんなが手にスマホをもっていました。撮影して共有したり、SNSで意見交換したりしているのですが、誰もが場所と時間によらずに世界とつながっている状態にあるという事です。この後でも、商品説明を一人一人変える実験をしているといったご紹介もされていましたので、購買率を上げるべく、訪問者それぞれに対して顧客接点をカスタマイズしていくといった意味での「個別化」ととらえてよいのかなと。「多様化」については取扱商品が2.5億種類という点は、そりゃ多様だよねという話ですが、顧客ニーズの多様化という話でもあるのかなと。(あと楽天で7770万の金の仏像や、公安委員会の許可が必要な2.1憶のはしご車が販売されているとは驚き!)

「Creative AI」に関しては、分析・識別・予測といった用途に使うのみでなく、コンテンツ/クリエイティブの制作にAIを利用しようというトレンドの紹介でした。画像や音楽の自動作成、記事のサマリー、絵の自動着色など。これらの分野では中国が大きく先行しているという点は知りませんでした。いわゆるビッグデータ活用の分野では、かなり進んだアプローチをしている事例はありましたが、広告バナーの自動作成などは2年前から4憶枚以上の配信があるとか驚きです。日本だとA/Bテストなどで最適パターンを”選択”するといったフェーズでしょうか。配信先の閲覧者の属性などに合わせてオンフライで広告クリエイティブを作成するとか、そんな時代も来たのですね。

最後のマイクロソフトからは、主にAI活用のお話でした。歴史的な技術の振り返りをすると1990年からの「インターネット」、2000年からの「クラウド」(マイクロソフト社の収益の47%がクラウドから得られているとは驚き)、今は「AI」になるだろうとの見通しを持っているとの認識。AIの開発原則としては人の能力の活用・拡張といった方向性を軸にして、人を脅かすためのものではないということ。(そうはいっても自動化で雇用が奪われるような人も出てくるでしょうから、その辺はどこかで折り合いをつける必要がでてくるのでしょう。)

AI技術のOfficeスイートへの応用例のご紹介もあり、PowerPointではデザインレイアウトの自動提案、Wordでの口述筆記や読み上げ機能、Excelでの関数無しでのデータのビジュアル化の提案などがありました。(こちらも以前にOffice365の紹介セミナーで聞いた話ではありましたが、Wordの音声入力の機能だけは初耳でした。改めてWordを見てみましたが見つからず・・・Insider版なのだろうか。)

展示

自分の仕事に関係しそうな個別のブースはさておき、全体的にみた感触ですが、RPA関連の出展に勢いがあったと感じました。RPAソリューションの売り上げ比率では日本はかなり高めという報道もあり、現場では結構入っているのでしょう。(ただ私が直接に関与している先でRPAを活用しているといった話はあまり無いので実感は薄いのです)

役所などで「RPA導入で作業時間が大幅に削減!」といった派手なリリースも見ますが、適用業務を聞いているとペーパーの電子データ化とか、データの転記だとか、本来ならメインのシステム側で対応すべきところを、プロセス改善の無いままに情シス抜きで、現場レベルでの最適化みたいな話で進んでいるケースも知人から聞いたりしているので、ガバナンスの観点などからも問題があり、技術負債をかかえこむリスクも出てくるのでしょう。「野良ロボット撲滅」といったブースもありましたので、サービスの提供側でも課題を認識しているのでしょう。

「ビッグデータ」「AI」に関しては老舗が老舗っぽく展開していたイメージです。あまり目新しさを感じるものは個人的には無かったですね。分析基盤系は段々と自動化する方向で枯れてきているので、利用側のドメイン知識の勝負の時代に入ってくるのでしょう。