みずほ銀行のアプリが精密な撮影技術を要求する件

正直、銀行の手続きでスマホアプリを使わせる気は無いなと思ったわけですよ。

月一回程度の頻度で、システム障害を起こし、「明日現金が必要なんだけど、ATM使えるのかしら」「振り込み期日ギリギリなんだけど、この送金はちゃんと行われるのかしら」とハラハラドキドキの、俺達のみずほ銀行ですが、システム側のみならず、スマホアプリもグダグダになって、大変に困惑しているわけです。

「みずほダイレクト」を始めとして、ネット経由で取引する際には、ご利用カードに記載された第2暗証番号が必要になるわけですが、それをアプリ内で管理できるというので、登録をはじめてみました。すると「お届けいただいている電話番号にはSMSを送信できません。」とエラーが出ます。確かに口座登録の際には携帯電話の番号は指定していないため、それはそうだと。

電話番号の変更登録に関しては、サイトを見ろというのでPC出して調べてみると、なんと「口座開設&手続き」アプリなるものが別にあり、それを使えとな。登録情報の変更であればネット経由で受付できないものなのかなあとぼやきつつ、手続きアプリをインストールしたわけです。

お客様番号や生年月日などを入力していくと、本人の顔写真と運転免許証、またはマイナンバーカードの券面の写メを送れと。本人確認のためとはいえ厳密だなあと思いつつ、アプリの指示通りに撮影を進めたのです。

するとカードの厚みの撮影となりました。運転免許証/マイナンバーカードの実際のカードを撮影している事を示すために、カードの側面部分を含めた写真を撮れということなのです。口座の新規開設ならともかく、連絡先電話番号の変更に、なにゆえここまで厳密なチェックが必要なのかと当惑しつつ、撮影を試みるわけですが、これが激むずで、結果的には手続きが進められませんでした。

こんな感じで、券面をガイド枠に入れて、マッチすると自動的に撮影されるわけです。ずれていると「スマホを傾けろ」「スマホを離せ」「ガイドの線に合わせろ」などの指示が飛びます。

いろいろと調整しつつ、ガイド枠に合わせるわけですが、いっこうにOKになりません。背景を変えたり、追加の照明を入れてもダメです。

そして、ついに全部グリーンに!!

ここまで合わせても、「個人情報カードをガイド枠に入れてください」と表示され、撮影が進みません。

結局30分近く悪戦苦闘した結果、ここから進めませんでした。携帯電話番号の登録をするだけでここまでやらせるのかという思いもありますが、報われない努力もあるものだと羽生結弦さんのような気分です。

オンラインご利用カードを諦めれば、従来通りのお客様番号/パスワード認証で取引自体は従前どおりに出来ると気づいたので、まあ最低限は大丈夫かなと思いつつ、バージョンアップのメリットが全く無いわけですね。見た目がちょっと変わっただけです。

IT業界伝説のサグラダファミリアであったプロジェクトも、いろいろあって現場の人は大変だろうなあと思いを寄せつつ、顧客接点のアプリがこれかあぁぁというのは大変残念な気分にさせられますねえ。

[2022-02-15追記]
たまたまTwilioの本人確認手続きを進めていく最中に、同様に証明書カードの「厚み」画像の提出を求められ、本人の実在性証明の手段として、標準的なプロトコルとして採用されているのかなあという認識を得るに至りました。こちらは証明書カードを傾けた状態+本人を撮影したものを提出すればOKでしたので、みずほ銀行のように提出できないという事はありませんでした。ただ、リアルカードを保有している事を申告するのであれば、せっかく証明書が埋められているわけですから、カードリーダー使いたかったですね。もちろん、リーダーを持っていない人への配慮が必要という事もあるのでしょうから、「厚み」画像という事になったのだと思いますが、このアナログ感に微妙な思いが去来します。

よしなし事

Posted by tomi