みんなで使える作業管理ツール”Trello”

大なり小なりプロジェクトであったり、日常的な業務において、やるべき作業が何でどの程度残っており、誰が何の作業をしていて、それぞれがどんな状況にあるのかを可視化するのは重要です。部門・チームの業務管理であったり、個人であってもTODOの管理であったりと粒度に違いはありますが、そもそもやるべき事が抜け落ちていたり、締切間近なのに残作業が山のように残っていたなど、作業品質に直接に影響します。

ITエンジニア/プログラマであれば、昔からBTS(Bug Tracking System)を利用して、バグの管理から始まり、作業項目もそこに登録することで完成までの作業管理を行うこともありました。生産の現場では有名なトヨタの「カンバン方式」などによる作業工程の見える化を行い、生産管理を行っていました。

個人的にはWunderlistというツールを使って、TODOの管理やらメモやらを取りまくって、日常のタスク、スケジュール、備忘録やらを管理しているのですが、チーム戦では別のTrelloというツールを使っています。

Trelloとは

カンバン方式を実現できる、広い意味でのプロジェクト管理のツールです。各作業をカードという単位で記録し、進捗にあわせてリスト間を移動させていくことで可視化します。

https://trello.com/

機能が限定された無料版(チームのボードが10個までなど)も利用できます。少人数であれば十分ですがプロジェクトの数が増えたり、他のシステムとの連携が必要になってきたら有償プランへの移行を検討するのでよいでしょう。(ちょっと慣れてくると”Power-Upが1つ/ボード”がキツイ)

Trelloのカードの例ですが、上記の様に、どんな作業を誰に割り振り、期限はいつ、のような情報を記録できます。また実際に作業に関係する情報をアクティビティログに記録しておくことで、日報的な作業記録の情報やアイディアの検討経緯を記録しておくこともできます。

開発の管理の場合

開発の場合には、上記のようなリスト構成にしています。(この辺りは各プロジェクトでの管理の粒度に合わせます)

  1. 課題・バグなど: 対応しなければならない課題や見つけてしまったバグなどを記録。この段階で対応方針などを議論
  2. 対応待ち: 作業方針が決まり、実際に誰かに割り当てを行い、着手を待っている状態
  3. 対応中: メンバーによって仕掛中の作業
  4. 確認待ち: 作業が終わり、内容の確認、テスト工程を含めた完了承認待ちの作業
  5. 完了: 確認が終わり、完了した作業

現場によっては、”リリース作業待ち”などの工程リストが加わることもあるでしょう。

営業の場合

Trelloは開発などの技術管理のみならず、営業などの業務にも利用できます。上記はいわゆる”営業パイプライン”の管理をTrelloを使って管理している例です。これも現場によっていろいろと項目が変ってくるでしょう。

  1. リード :問い合わせや紹介など、アプローチすべき対象のリスト
  2. 訪問・ヒアリング : リードから実際にコンタクトを行い、商談の最中のリスト
  3. 提案実施・条件調整 : 商談から一歩進んで案件確度が上がり、受注条件の調整を行っている段階
  4. 正式提案・見積: 正式な提案書や条件提示を行い、プレゼンなどを行っている段階
  5. クロージング: 最終的な条件調整や契約書の内容検討など。内示段階を含む。
  6. 受注: 注文書を頂いた段階
  7. 失注: お断りをされた案件(上図はなんか失注が多そうに見えるw)

このようにどの商談がどのような段階まで来ているかを可視化します。対応漏れがあったり中途半端な所で止まっているなどが可視化されますし、それぞれの商談の交渉経緯や所要期間などを残せますので、以降の業務改善のための重要なデータとなるでしょう。

 

このように技術者のみならず、一般職の業務に関しても比較的容易に利用を始める事が出来ると思います。またPCブラウザだけではなく、スマホアプリでも同じように利用出来ますので、外回りの社員でも問題なくアクセスできます。

さらに利用になれてきますと、各ボードのPower-Upを利用したシステム連携も可能になります。外部のカレンダーに締切を表示したり、Slackのようなチャットツールに更新情報を流したりできるようになります。IFTTTやZapierなどの各種オートメーションツールでも、大抵のツールではTrelloも対象に含まれているので、上手く使えば更なる生産性向上が見込めるでしょう。

ボード型プロジェクト管理のツールとしては、Trelloの他にもAsanaなどのツールがあります。大抵のツールでは無料枠が用意されているので、いろいろとお使いになってみてはいかがでしょうか。

【2019/3/20追記】

無料プランで作成できるボードの数が10と上限が設定されたようです。

タスク管理サービスのTrelloがボード作成数に上限を設定、10枚以上のボード作成は有料クラスへのアップグレードが必要に(Gigazine)