ネットでの集客のための、いろはの「い」

最近、主に中小企業の社長の方々とお話する機会が増えまして、どんな感じでマーケティングをなされているのかをお伺いしている中で感じるのは、「リード(潜在顧客)を集める」という考え方を理解されている人が非常に少ないという点です。

「ホームページを頻繁に更新しているのに、検索順位が上がらない」「作業工程をビデオに撮って、YouTubeにアップしている」など、ネットマーケティングの個別の技術などはご存じで、対応されている方も多いのですが、「サイトを見て頂いて、その方々からどのように買ってもらうのですか?」というと「えっ」とされるパターンです。

つまり、「告知」「説明」は十分に行っているのですが、その後に購入などに結びつけるプロセスがイメージ出来ていないというわけです。

扱っているサービスや商材によって、工夫をする必要がありますが、ざっくりと以下のような点を考慮されると良いと思います。

  • サイトへの誘導はこれまで通りに頑張る。
    • ブログや通常のコンテンツなど、訪問者にとって有益な情報を提供するように心がける。
    • 余裕があれば少しでも検索順位を上げるためのSEOの技術を意識する。
  • サイト訪問者への連絡方法を入手する。
    • 最低限、連絡フォームを設置する。(ただし、ここから頻繁に連絡があることは期待しない)
    • 無料のブックレットのファイルの提供などを通じて、住所、TEL番号、メールアドレスなどを取得
  • 定期・不定期に訪問者に連絡を取り、オファリングをする。
    • 割引、新商品などのキャンペーンなどの提示
    • ランディングページは別途に用意した方が良い。
    • 商材、相手によってはオンラインだけでなく、DMやTELなどを利用

サイトを訪問した人が、すぐに購買に結びつくのは非常にレアケースであると理解した上で、商品・サービスへの理解を深めて頂いたり、ブランドへの愛着を持っていただけるように、継続的に情報提供できる手段を確保する事を意識されると良いです。もちろん新規の顧客だけでなく、リピーター狙いにも有効です。

最近の「コンテンツ・マーケティング」と呼ばれる考え方のベースになりますので、興味のある方は、いろいろと研究さなると良いかと思います。

マーケティングの3文字ワードのおさらいをするよ!

昨日、地元の経営者向けの連続セミナーの最終日で、マーケティングの講習会に参加してきました。さすがにワタクシも元デジタルマーケティングの業界人でございましたので、だいたいお話されている内容はほぼ理解しておりまして、どちらかというとセミナーの組み立てとか教材の構成の内容に興味を持って拝聴させていただいておりました。

ちょっと違和感があったのが、講師が「10月分のLTVは・・・」とか「CPOは最大1万円として、半分の5000円を広告費に投入して・・・」という説明をなさっておりまして、ちょっとそれはないだろうと思った次第。

話の筋としては、広告などでお客様を確保する費用と、その人がもたらすであろう売上~利益を比較して、平均的にみて利益の方が大きければ集客の方法として良いというお話でした。これはこれで筋としては間違ってはいないのだけれど、用語の使い方がおかしい。

IT業界の悪癖として、アルファベット3文字の略語を無駄に多用するということがありまして、ちょっとおさらいをしてみます。

LTV(Life Time Value)

「顧客生涯価値」と訳されることが多いです。これは、ある1人の顧客があるサービス・製品などに対して、取引をしている間に支払う金額合計から、その顧客を獲得・維持するために要した費用の合計を差し引いた「累積利益額」を意味します。つまりサービス提供者の視点からは、顧客でいる期間にどれだけの利益をもたらしてくれたかを計る、長期的な視点での指標です。
つまり広告費などの顧客獲得コストを差し引いた値なのと、顧客でいる長期の間の利益貢献の指標なので、上記のような単月の値としてとらえるのはおかしいです。

CPO(Cost Per Order)

「1つの注文を頂くのに必要なコスト(広告費など)」です。商品を売り出すのに必要なコストを受注した注文数で除算して計算します。

上記の例の場合、「半分の5000円を広告費に投入して・・・」というのがオカシクて、例えば、100件の注文が欲しい場合に、1注文当たり5,000円かかる統計値(=CPO)をみて、5,000円x100件=500,000万円の広告費を投入する必要があるといった推測が可能になるわけです。

CPA(Cost Per Acquisition)

CPOと似ていますが、商品の購入や会員登録などにより、具体的な利益につながる成果1件獲得するのにかかるコスト。

広告単価の指標であり、顧客獲得(acquisition)一人あたりに要した支払額。

たとえば広告費を100万円投入して、新規に100人の新規顧客を得られた場合には、100万円/100人=CPA1万円という事になります。一人のお客様を増やすのに1万円のコストがかかるというわけです。

そして新しい顧客が平均して2万円分の利益をもたらしてくれれば、LTV>CPAとなりトータルでプラスになるわけですから、広告としては成功。逆に1万円を下回る(LTV<CPA)ようだと、獲得コストの方が大きくて持ち出しになるわけですから、見直しが必要になるわけです。
仮にLTV<CPAだったとすると、改善するには、例えば次のような対策が考えられます。

  1. 同じ広告予算を投入して、より多くの顧客を獲得できそうな掲載媒体へ変更
  2. 同じ広告掲載媒体を使う場合は、広告のメッセージ、デザインなどを見直し
  3. 1人の顧客からより多くの物を購入して頂く。サービスを利用し続けて頂く施策を実行(LTVを上げる)

“Cost Per Action”を意味する場合もありますが、これも同じように考えて、1つのアクションを取っていただくのに要する費用となります。

業容拡大のためにはマーケティングが必要で、広告にかかる費用も成約のデータを取っていれば、だんだん最適化できますよというお話でした。

hao123に変わってしまったトップページを戻す方法

ブラウザを開けると「なぜかhao123というサイトになっているのよね~」という声を時々頂まして、PCを拝見すると確かに変わっています。

hao123

これを戻す方法ですが、以外とご存じない方が多いみたいなのでまとめておきます。お使いになっているブラウザによってチェックする箇所が違いますが、該当するような箇所が設定画面にあると思いますので、読み直してください。

(1) Internet Explorer11の場合

  1. 画面右上の「ツール」ボタン(歯車のアイコン)をクリック
  2. 「インターネットオプション」を選択
  3. 「全般」タブ「ホームページ」の欄のURLがhao123になっていると思いますので、これをお好きなサイトのURLに変更して「OK」をクリック

インターネットオプション
上記は Yahoo! Japan に変更した例

(2) Google Chromeの場合

  1. 画面右上の「Google Chromeの設定」ボタン(「≡」三本線のアイコン)をクリック
  2. 「設定」をクリック
  3. 「起動時」のスイッチを設定します。
    1. 最初に何もないページを表示したい時は「新しいタブ ページを開く」
    2. 以前に開いていたページを読み直したい時は「前回開いていたページを開く」
    3. 特定のポータルサイトを開けたい時は「特定の 1 つのページまたは複数のページを開く」にスイッチをいれ、「ページを設定」をクリック。ご希望のサイトのURLを記入してください。

Google Chromeの設定画面

 

 

  • [拡張機能]で、「Hao123 toolbar」というような項目があったらゴミ箱マークで削除
    • http://support.google.com/chrome/bin/answer.py?hl=ja&answer=95421
  •  また、「hao123から変更しても、いつの間にか元に戻っている」という場合、hao123の運営会社であるバイドゥ(Baidu)株式会社が提供しているアプリケーションなどが影響している可能性があります。(日本語変換のIMEなど)インストールした覚えのないソフトはアンインストールしてください。

そもそもなんで「hao123」に変わっているの?

筆者が見た事があるのは、あるフリーソフトをインストールした際に、「ブラウザのホームページをhao123に変更しますか?」という画面があり、デフォルトでOKにスイッチが入っているものがありました。この場合、インストールを進めるのに「次へ」を押してしまうと、上記のようなブラウザの設定変更を許諾した事になります。

また、海外のフリーソフトの中には、このような許諾を取らずに、特定のサイトに設定を変更してしまうケースもありましたし、プリンターのユーティリティーなどをインストールする際に、同じように自社のサービスサイトにリンクURLを変更してしまう場合もあります。

hao123に限らず、ウィルス混入のリスクもありますので、アプリケーションのダウンロードは信頼できるサイトに限定し、また、インストール時の画面には注意してください。

Chromeブラウザを「デトックス」する方法

とある、お客様のFacebookのアカウントから、友人登録している人にスパム投稿が激しく行われて困っているとご相談を頂きまして、いろいろとお話を伺いました。インストールした覚えのないセキュリティツールからの警告メッセージが表示されてみたり、そもそもFacebookにログイン出来なくなったなど、遠隔で画面を見れない状況が非常にもどかしいです。特にIT以外の業界の方なので簡単に導入できて、画面が共有できるメッセンジャーソフトがあると便利です。Skypeの画面共有の機能などを覚えておくと、何かの折に役に立つのではと。

Skype for Windows Desktopで画面を共有する方法を教えてください。
https://support.skype.com/ja/faq/FA10215/

切り分けをしていくと、(1) PC本体がウィルス感染している懸念があるのと、(2)何らかのFacebookアプリがインストールされてしまっている可能性、(3)ブラウザにも何らかの悪意のあるプラグインをインストールされてしまっている可能性がありました。

(1)については、セキュリティソフトによる全スキャンを行う必要があり、この際には二次感染を防ぐためにネットワークから切り離す事が望ましいです。(2)のFacebookアプリについても、いろいろな診断系オモシロアプリなどを利用していると、いろいろな操作を自分のアカウントに対して行う事を許可しているわけです。時々、インストール済のアプリの一覧を確認して、利用しているもの以外は削除すべきです。

(3)についてですが、以下のような手順となります。

(a) Chromeブラウザの設定画面を開く。画面右上の数の赤丸のボタンをクリック>「設定」を選択

WS000001

 

(b) 画面左のメニューから「拡張機能」をクリック

WS000014

 

(c) 既存のインストール済のアプリケーションが一覧で表示されます。不要のアプリ、インストールした覚えのないアプリについては、→のごみ箱ボタンをクリックして削除してください。

WS000018

ここで不要なものが見つかれば、すぐに削除すべきです。

 

他にも不要Cookieの削除など、いくつかのメンテナンスのポイントがありますが、こちらはまた改めて。

canvas fingerprintingなどによる訪問者追跡の技術

最近、Canvas Fingerprintingに言及している記事をよく見かけるようになりました。例えば、”クッキーより怖いcanvas fingerprintingって何?迂回方法は?“(Gizmode)。これは一言でいえば、ブラウザを識別・特定するために利用される、既存のCookieに代わるブラウザ識別情報の保存の仕方なわけです。「怖い」かといえば、追跡を望まない場合にCookieをブロックする方法では防ぐ事が出来ないという意味では「怖い」ですが、ブラウザを通じて個人情報が抜き取られるわけではなく、その意味においてはCookieと同レベルの安全度ではないかと思います。(この辺り、もし誤解あれば教えてください。)

この手の技術については、Webサイトの訪問者を追いかける側から見れば、AppleのSafariブラウザが「サード・パーティー・クッキー」の受け入れを拒否する設定をデフォルトにした辺りからニーズが高まった印象があります。特にMac Book/Mac Book Airの人気が高まり、サイト訪問者に占めるMacユーザーの割合が増えてくる一方で、「サード・パーティー・クッキー」を利用した計測を利用するサイトにしてみれば、ページビュー数などは数えられるものの、再訪問が識別できないので、訪問者数の精度が落ちるというわけです。さらに言えば、ネット広告技術の向上が著しい時期でもあり、リターゲティング広告やリアルタイムビッティング(RTB)など、サイト間での訪問者識別情報の共有が必須になってきています。

そこで「サード・パーティー・クッキー」に依存しない計測方法が模索され、ブラウザで利用できる保存領域やサーバー側で設定できる通信上の任意に設定できるデータ領域が対象になり、その一つとしてHTML5のCanvas API機能が着目されました。このような領域はCanvas以外にも存在し、例えばほぼデフォルトで導入されているFlashプラグインを利用して、「Flash Cookie」のようなものを作ればCookie以上にデータを保存できる仕組みが実装できるわけです。

このような技術を集めたものが2010年にSamy Kamkar氏が発表した「Ever Cookie」と呼ばれる技術です。利用できそうな記憶領域にブラウザ識別のIDを埋め込み、ブロックされたとしても、どれか1つでも残っていればデータを復旧できるという代物です。FlashやSilverlightの記憶領域を利用して情報を共有し、同一PCでブラウザを変えても、同じ訪問者と識別出来たりするというものです。他にもブラウザの各種の属性情報のパターンを見て特定する技術などがあるようです。

訪問者側でも「DoNotTrack」ヘッダーを利用した追跡可否の意思表示が出来るようになるなど、ポリシーや法規制などの側面があり、サイト側からの追跡を牽制できる一方で、計測技術的な観点でいえば、まだまだやれる事が多いこともあります。

なお、Canvas Fingerprinting技術を使って追跡を行っていると名前が挙がる「AddThis」という、ソーシャルメディアでの共有ボタンのガジェットを提供するガジェットがありますが、この動きをブロックするために、Adblock PlusDoNotTrackMeが対応しているようです。ただCanvas APIへのアクセスをブロックするものではないため、Canvas Fingerprintingそのものをブロックするのは困難ではないでしょうか。

追跡を極力避けるとすればJavaScriptや各種プラグインをOFF設定にし、ブラウザのシークレット・ウィンドウ・モードの利用などで、それなりにブロック出来ますが、いまどきのサイトの閲覧には非常に不便を強いられるのではと思います。

※どの程度の識別ができるのかは、HTML5 Canvas Fingerprinting あたりのサイトを見てみれば面白いのではないかと。

※上級者はTorなどを使った匿名化などにチャレンジするのだと思いますが、こんな記事もあったりしますので、こちらもイタチごっこなのではないかと。

 

 

複数PCの操作で”Mouse without Borders”が便利すぎる。

作業のためにノートPCを2台並べて使っているのですが、いちいち、キーボードを入れ替えたり、マウスを持ち帰るのは大変に面倒なのです。キーボードに関してはBluetooshキーボードで複数のPCの切り替えができるものもありまして、一時期、そのようなモデルを利用していたのですが、マウスはどうにもならない。USBの抜き差しやBluetoothでのつなぎ直しが面倒なので、色の違う同じモデルの2つのマウスを並べて、都度持ち替えていたのですが、これはこれでスペースを取るわけです。

そんな状況の私を救ってくれたのは、Microsoftの“Mouse without Borders”でした。(ちなみに自分はWindowsをメインに利用してます。)技術的にはネットワーク経由でマウスの動作を伝え合うというものですが、マルチディスプレイの場合と同様に画面の端から動かすと、隣のマシンにマウスカーソルが動く!さらには、クリップボードが共有されていますので、あるPCでコピーした文字列をクリップボード経由で、別のPCにペーストすることもできます!また、ファイルをつかんでドラッグ&ドロップするとPC間でファイルをコピーする事ができます!

というわけで、複数のマシンをさながらマルチディスプレイでPCを使う場合のように、1つのキーボード&マウスで操作できるわけです。これは便利!
Microsoft Garage Mouse without Borders
http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=35460

表示は英語ですが、インストールは比較的容易です。詳しい説明は以下のページに詳しいです。

マウス / キーボード を、複数のパソコン間で共有する!「Mouse without Borders」
http://www.gigafree.net/internet/remote/mousewithoutborders.html

FirefoxとGoogle Chromeのブックマークを同期する方法

作業の際には、それぞれ一長一短あるため、FirefoxとGoogle Chromeの両方を使っています。そこでWebサイトを見ていて気になるページをブックマークしていくと、それぞれのブラウザでブックマークがどんどん差が出てきます。

FirefoxもChromeも独自の同期の仕組みがあって、それさえ設定しておけば複数のPC間やスマートフォンとの間でブックマークの同期をしてくれます。これはこれで非常に便利なのですが、Firefoxで作業しているときにブックマークしたサイトを見ようとして、見つからないとChromeを立ち上げて、改めてブックマークリストをチェックするという、非常に面倒な作業が発生します。

そこで勝手に裏で同期をしてくれるサービスとして、以前はfoxmarkというサービスを使っていたことを思い出し、改めて調べてみましたが、それが名前を”Xmarks”に変え、さらにはLastPassというパスワード管理会社に買収されるという経緯がありますが、サービスは継続していました。

https://www.xmarks.com/

細かい段取りはサイトをご覧いただければ分かると思いますが、まず最初に自分のアカウントを作成する必要があります。その後、各ブラウザにプラグインをインストールしていきます。

その後、各ブラウザにて認証と同期の設定を行っていくわけです。その際に注意が必要なのは、サーバー上にあるブックマークの記録と、設定操作をしているブラウザとの関係ですが、初回は単純にローカルのブックマークをアップロードするだけですが、2つ目のブラウザ以降は①ローカルを消してサーバーからダウンロードする②サーバー上のブックマークを削除してアップロードする。③サーバー上の記録と差分を取る。のいずれかから選択するわけです。①②であれば問題ないわけですが③の処理を選ぶと、大量にブックマークがあると、結構、ぐちゃぐちゃになります。これも徐々に整理していけば良いといえば良いのですが、数が多いと大変面倒な作業となります。

このあたりはやってみないと分からない所でもありますので、事前にブックマークをexportしてバックアップを取っておき、いざという時に戻せる準備をしておいた方が良いです。

私の場合には面倒になってしまったので、Chrome側でどうしても取っておきたいブックマークをFirefox側に手動で移した後、初回設定はFirefox側をアップロード&Chrome側をダウンロードすることで同期を始めました・・・

最初のブックマークが多い場合には、整理がちょっと面倒ですが、一度設定してしまえば、後は気にすることも無くなるのでお勧めです。

「SQL Server 2014 発売記念フォーラム」に行ってきました。

MapReduceアルゴリズム/Hadoopなどの”NoSQL”の開発が相次ぎ、大量データの処理基盤が実用的なレベルになったころから、「ビッグデータ」ブームが起こりましたが、最後の最後の処理パフォーマンスのネックは、ハードディスクの遅さでした。ハードディスクもデータ容量に関しては飛躍的に伸びてきましたが、スピードに関しては大幅な改善が見られず、SSDやFusionIOのような製品や、IBM Neteezaなどが物理層での改善策として普及してきました。一方データベース側も分析用途としてSAP HANAのようなIn-Memory型のエンジンによって高速化が図られてきました。

そんな中で今回は”SQL Server”がIn-Memory機能をサポートしたということでのイベントでした。

http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1404/18/news141.html

講演を聴いた感想としては、In-Memory型DBの市場に関しては、これで勝負あった感が出てくるかなという所。昨年秋のOracleオープンワールドで12cでカラム型&インメモリのサポートを発表しましたが、今回のSQL Serverの発表で、普及率1,2位のDBが共にインメモリ&カラム型をサポートするようになったわけです。高速な集計結果が得られるとなれば、運用負荷を考えるとDWH用の別のエンジンを導入するメリットが失われます。

今回、驚いたのはExcelのPowerBI/Power Viewの機能。Power PivotについてはExcel 2010からオプションとして提供されていて、大量データ処理のフロントエンドとしてのポテンシャルを感じさせましたが、今回のデモでは表示に地図上に分布をヒートマップで描くなど、一昔前の高価なGISソフトでしかなしえなかったようなビジュアライゼーションを、数万円の表計算ソフトが実現してしまうということ。今回のSQL Serverの組み合わせで、専用のBIツールを導入しなくとも、簡単な経営ダッシュボードくらいは実現してしまうというわけで、分析基盤の市場破壊もありうるのかなあと感じました。

逆に利用者側としては、分析のためのインフラが非常に安価に整うようになってきたため、むしろデータ収集基盤であったり、分析スキルの方がボトルネックになる可能性の方が高くなるのではと思います。データ分析に関しては自社で詳しい人がいない限り、アウトソースする or 最初から諦めるといったケースが多いように散見されましたが、今回のフォーラムのテーマが「ビッグデータの民主化」であり、ここまで敷居が下がったのであれば、ぜひトライして頂きたいですし、そのためのお手伝いが出来ればいいなと思います。

MariaDBのConnectストレージエンジン

MariaDBの最新バージョン10.0系では、多岐に渡るストレージエンジンをサポートしていますが、その中でもユニークなConnectストレージエンジンを紹介します。

動作概要

アプリケーションは従来のDBと同様にMariaDBにアクセスします。MariaDBはあらかじめ定義された設定に従って、外部のDBまたはファイルにアクセスしてデータ操作を行い、結果をアプリケーションに応答します。

 

 テーブル定義の例

MS-AccessにODBC接続して”Customer”テーブルを作成する場合
create table Customer (
  CustomerIDvarchar(5),
  CompanyNamevarchar(40),
  ContactNamevarchar(30),
  ContactTitlevarchar(30),
  Address varchar(60),
  City varchar(15),
  Region varchar(15),
  PostalCodevarchar(10),
  Country varchar(15),
  Phone varchar(24),
  Fax varchar(24))
engine=connect table_type=ODBC block_size=10 tabname='Customers'
Connection=‘DSN=MS Access Database;DBQ=C:/Program Files/Microsoft Office/Office/1033/FPNWIND.MDB;';

ODBCのカタログ関数を利用して、リモートDBのテーブル定義を参照する場合

create table Customer engine=connect table_type=ODBC  block_size=10 tabname='Customers'
 connection='DSN=MS Access Database;DBQ=C:/Program Files/Microsoft Office/Office/1033/FPNWIND.MDB;';
CSVファイルを参照する場合
create table people (
  name char(12) not null,
  birth date not null date_format='DD/MM/YY',
  children smallint(2) not null)
engine=CONNECT table_type=CSV file_name='people.csv'
header=1 sep_char=';' quoted=1;

例えば上記の場合では、”people.csv”は

Name;birth;children
 “Mike";17/05/01;3
 “John";12/08/03;2

この場合、select * from people; のように、SQL文を使ってCSVファイルを参照することが出来ます。

また、以下のようにinsert文でデータを追加することも可能です。

insert into people (name,birth,children) values('John','31/03/2013',1);

次のように通常のテーブル”address”とのJOIN処理も可能。

select * from people, address where address.name=people.name;

このようにMariaDBの内部に格納されているデータ、ならびに外部のデータも含めて、統合的に利用できるというユニークな機能です。ETLツールなどによるデータの連携処理などを待たずにリアルタイムで参照できるという点も強みと思います。

さらに詳細について知りたい型はMariaDBのKnowledge Baseに詳しいですのでご参照ください。

MariaDBの安定版 Ver. 10.0がリリース

以前にシステム導入の際に、データソースが多岐に渡るケースがあり、どうやってつなげようかと考えていた際に、MySQLのFederated Storage Engineを使おうかと検討していたのですが、開発も事実上止まっていた事もあり、それよりはMariaDBのConnect Storage Engineの方が良いかもと調べていたことがありました。結局は当時、β版だったこともあり採用には至りませんでしたが、先月3/31についにGA版がリリースされています。

 そもそもMariaDBって

MariaDBはMySQLからのforkプロジェクトとしてスタートしたDB。MySQLが米Oracleに買収されたことを契機に、オリジナル開発者のMichael “Monty” Widenius氏らが中心となり、2009年に開発プロジェクトを立ち上げました。現在は非営利団体のThe MariaDB Foundationの下で開発が進んでいます。また、Redhat, Fedora, openSUSE, Slackwareなど多くのLinuxディストリビューションでMariaDBの採用が進んでいます。

2つの系統

MariaDBには5.5系と10系の2つのバージョンが存在します。もともとMySQLと互換を目指して構築されており、MariaDB 5.5はMySQL5.5を元に独自機能の追加や安定性確保のための多くの改善が取り入れられているバージョンです。設定ファイルの書式なども含めて、利用者側からみた機能の違いは軽微で、ほぼ互換性を有しています。さらにMyISAMやInnoDBなどのMySQL標準のストレージエンジンに加え、XtraDB, Ariaなどのストレージエンジンも利用可能になっています。

MySQL 5.6では大規模なリファクタリングが行われました。このためRHELとCentOSのような関係性ではないですが、MySQLをベースにしてMariaDB独自の改良を継続することは難しくなったため、5.5をベースにして、5.6から新機能の選択的な追加、ならびにMariaDB独自の機能追加を行う方針となり、バージョン番号も一気に10.0まで引き上げられました。

MariaDBでは、MySQLと比較して、クエリー・オプティマイザーの性能が向上、サポートするストレージエンジンの追加、Information schemaからユーザーや表、索引の統計情報が参照可能になるなどのメリットがあります。またSQLレベルでは、REGEXPがマルチバイト対応になった違いはありますが、ほぼ互換。通信はMySQL, MariaDBともに同じ通信プロトコルなので、従来のMySQLのドライバーをそのまま利用してMariaDBと接続できます。このため、MySQL→MariaDBへの移行はきわめてスムーズに行えると思います。

MariaDB 10の新機能

MySQLとの互換性が重視されている5.5系と異なり、MariaDB 10では積極的に新機能の導入が進められています。レプリケーション、NoSQL、シェーディングなどの機能が強化されました。レプリケーションでは、スレーブ上にある複数のクエリを並列実行できる並列レプリケーションや、スレーブが複数のマスタを持つことが出来るマルチソースレプリケーションが導入されています。これにより分散したデータに対しての包括的なビューを作ることが出来ます。

ユニークな機能としては、外部にあるデータに動的にアクセスするためのCONNECTストレージエンジンが導入されています。かつてFederatedストレージエンジンと呼ばれていたものの後継にあたるわけですが、ログファイルなどの非構造データやCSVやXMLファイル、ODBCデータベースなどにアクセスでき、MariaDBを通じて間接的に各データソースを参照できます。従来はETL等を導入する必要がありましたが、データが混在する環境でのデータ分析には便利な機能でしょう。