Twilio SIGNAL London 2017の報告会に行ってきましたよ

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マインドテックの冨です。

Twilioと言えば電話/SMSのAPIで有名ですが、最近は様々な機能が追加されてきており、コミュニケーション支援ツールのバックエンドといった方向に進化しつつあります。

Twilio社主催のイベントとして”SIGNAL”が年に一度、サンフランシスコで開催されるのが通例でしたが、今年はロンドンでも開催されたようです。日本国内の代理店はKDDI Webコミュニケーション社ですが、事業責任者の小出さん、エバンジェリストの高橋さんによるSIGNAL Londonで発表されたTwilioの新機能の紹介がありました。

Twilioの概要

そもそもTwilioって何よという話ですが、もともとはWebと電話/SMSの機能を融合させるAPI群を提供するサービスでした。専用の電話番号をただちに購入できて、その番号にかかってきた電話に対して自動応答や録音、転送、IVR(「***の場合は1を。***の場合は2を押してください」というガイダンスを聞かせて、通話の振り分けをする機能)などを、簡単なプログラミングで実装できるというサービスです。例えば、学校の行事で天候が怪しい場合に「運動会を開催するか延期するかは、当日朝7時以降に***-***-****の番号にかけて確認してください」といった情報サービスは、慣れていれば30分かからずに実装出来ます。

報告会の冒頭に、最近のTwilio社の開発状況についての紹介がありましたが、年間に30,000デプロイ、3.5日毎に新ツールか新機能のリリースというペースだそうです。それでいて可用性が99.999%、APIの動作率も99.999%の品質を保っているそうです。額面通りに信じていいのか分からないですが、個人的な体感値としても、あまりトラブルは無いかなと思います。

Studioのクローズドβリリース

今回の発表の目玉は、ビジュアルプログラミング環境の”Studio”です。これまでは”openVBX”というOSSの支援ツールがリリースされていました。これはこれで非常に便利で、コールフローをGUIで作成できるという優れものです。私もお客さんの所でその場で簡単なデモを作って披露する事もありましたが、この手のツールが正式なサービスとしてリリースされたという点が大きいでしょう。作成したコールフローが直接にTwilioの管理画面から使えるのも、なかなか好感度高いです。

「ノンプログラマーでも実装できる」とデモされていましたが、全くの素人はつらいでしょう。少なくともTwilio特有の機能の概念を理解していないと、それぞれのコンポーネントが何をするものなのか理解できないでしょう。今までコード書いていた人がRADとして使うには有用でしょうし、何より人にフローの説明するのに重宝しそうです。(あと、例によってGUIが英語です。)

Understandのクローズドβリリース

いわゆる”Voice to Text”のTwilio版です。単にテキストに直すだけでなく、サンプル音声を利用して学習させてモデルを作ると、意味解析を行ってキーワード抽出もやってくれるようです。サンプルアプリケーションとしては、ハンバーガー屋のドライブスルーの会話で、客からの注文の会話を拾って、商品、個数をリアルタイムに解析してオーダーを確定させるデモがありました。これをうまく使うとIVRでキー操作による分岐ではなく、相手のリクエスト音声からいきなり適切な人に電話を転送したり、自動で注文を受けたりすることが出来そうです。ただこちらも現在は英語のみの提供。

これに似た機能を以前のTwilioハッカソンで、MicrosoftのLUIS(language Understanding Intelligent Service)を使って、簡易的なジュークボックスのインターフェースを作ってみました(電話口で曲名を言うと、それを流してくれる)が、それのTwilio版のようでした。日本語版が公開されるまではLUISを使ってもいいかもですね。

FunctionのNPMパッケージの提供の開始

こちらは最近のサーバーレスの流れを受けて、Twilio版のサーバーレス環境として前回のSIGNALで発表されたものです。node.jsベースでアプリケーションが書けるのですが、npmパッケージが利用できるようになり、より記述が楽になるとの事。私自身はnode.jsを使って書くことがほとんどないため、どの程度の恩恵が受けられるのか実感が無いのですが、他の言語でもパッケージが利用できる/出来ないで大きく生産性が変わるので、きっとすごく便利になったのでしょう。

電話番号100か国の提供開始

Twilioサービスの基盤側は、各国の1st Tierの電話会社と接続していて、非常に低いレイテンシーで安定したサービスを利用できるという点が大きいのですが、その接続先が100か国を越えたというアナウンスです。実際の所は通話では言語の問題があるので、他国との接続性に関しては、各国に支店があるようなグローバル企業であるとか、英語でサービス展開しているB2Bサービスなどでスケールする場合くらいかなあと思うのですが、実際、そういう方々には便利なのでしょう。島国育ちの私はあまり実感がわかない。

Twilio GDPR compliant

“GDPR”はEUで規定している個人情報保護の枠組みで、2018年5月に施行予定です。EU圏内のみならずヨーロッパ人向けのサービスは全て対象になり、多額の制裁金が課せられるため、知り合いのコンサルには今年の春先あたりから対応をどうするのか、かなりの問い合わせがあったそうです。TwilioもGDPRの規定に対応したため安心してサービスを利用して欲しいとの訴えのようです。
個人的には、中国のサイバーセキュリティー法への対応がどうなっているのか気になる所でした。何より通話/コミュニケーションインフラですから当局が目をつけそうな所ですし、金盾でブロックしているチャットアプリ間を接続出来たりしそうですし、中国のTwilioのサービス圏内に入っているようでしたが、どうなっているんでしょうね。
後半は高橋さんによるテクニカルなデモがありました。β版らしいほほえましい展開もありましたが(笑)応答音声が英語だけというのは国内で利用するにはツラ過ぎる仕様なので、日本語版が早く出ないかなあと待ち望んでおります。(Twilio本社に日本人デベロッパーっているのかしら?)
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